症例詳細
Case detail
膿の出口(瘻孔)と患歯の位置にずれがあったケース:左上7番の再根管治療
治療症例の内容
- 診療科目
- 治療カテゴリー
- 担当医
- 林佳士登(ドクタープロフィール)
- 患者様
- 年齢性別秘匿
- 治療期間
- 治療回数
- 2-5回
- 治療計画
- 左上6番の歯ぐきから膿が出てきているということで、院内紹介により精査・加療することになったケースです。
口腔内の状況ですが、膿の出口(瘻孔)は左上6番と7番の間あたりに位置していました。
レントゲン写真にて左上6番は明らかに根管治療の状態が良くないことは明らかですが、根尖部の透過像はそれほど明らかではありません。
排膿路を特定するために、膿の出口からガッタパーチャを止まる位置まで差し込み、レントゲン撮影をしたところ、排膿は左上7番からであることが判明しました。
左上7番には根尖部の透過像が見られ、根管内の感染が示唆されました。
よって、臨床的な問題である排膿を治療するためには、今回依頼された左上6番ではなく、左上7番を治療する必要があります。
患者様には状態を説明させていただき、おすすめする問題解決の方法として左上7番の再根管治療を提案させていただき、患者様の同意のもと、治療を行なっていく事になりました。
- 費用(概算)
- 15万円費用は治療当時の料金となります
治療について
左上7番の再根管治療により、術前には清掃がされている形跡が伺えない近心根管は第4根管(MB2)も含めての根管の清掃を行い、治療に反応して症状は改善し膿の出口(瘻孔)は消失しました。
このケースは、膿の出口の見た目上の位置だけで患歯の特定をすると診断のミスを誘発しうる一つの例と言えます。基本に忠実に排膿路の特定を行うことが正確な患歯の特定に重要です。もし、依頼された左上6番を治療していたら、症状は一向に治癒しなかったことでしょう。
術後のレントゲン写真(1,2枚目:術後4ヶ月経過、3,4枚目:根管充填直後)にて根尖部の透過像も消失しており、経過良好です。
根管治療の注意事項(リスク・副作用など)
- 根管治療により類似の全ての症例の問題が解決するわけではなく、症例はあくまでも一例です
- 根管治療により痛みや腫れがひかない事や、術後に痛みや腫れが生じる事、治療によるファイル破折やパーフォレーションなどの偶発症、術後の歯根破折を生じる可能性もあります
- 自費診療(保険適用外)となります
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