矯正治療前の根管治療 : 歯髄の壊死により、根の先に膿が生じ、歯ぐきに膿の出口ができていたケースへのイニシャルトリートメント
治療症例の内容
- 診療科目
- 治療カテゴリー
- 担当医
- 林佳士登(ドクタープロフィール)
- 患者様
- 年齢性別秘匿
- 治療期間
- 1ヶ月
- 治療回数
- 2-5回
- 治療計画
- 当院へ矯正治療希望で来院され、術前の検査で左上小臼歯部に膿の出口があるのが見つかったケースです。
膿の出口があるということは、何らかの原因がその周辺にあるはずですが、左上4番と5番の中間に生じており、一見して原因歯の特定には追加の診査が必要な状態でした。
また、矯正治療前には必要と思われる虫歯治療や根管治療・歯周病治療などを完了させておかなければいけません。
矯正のドクターより依頼があり、まずは原因歯の特定から行っていくこととなりました。
- 費用(概算)
- 10万円費用は治療当時の料金となります
治療について
術前の写真の2枚目にて歯ぐきから膿が出てきている場所が4番と5番の間になっているのが分かると思います。5番の根管充填状態はやや短い位置で止まっており、5番も疑われるところですが、排膿路を特定する検査(術前の3,4枚目)にて4番の根尖部からの排膿であることが確認でき、レントゲン初見・歯髄診・根尖部歯周検査の結果と合わせて4番が原因歯だと特定できました。
根管内の感染を減らす処置を行ったところ、2回目の来院時(術中の2枚目)には排膿は消失していました。口腔内写真でもその様子が確認できます。このケースで5番の治療を行っていたら、このような臨床結果は得られなかったに違いありません。
術後のレントゲン写真(1,2枚目は術後1年半、3枚目は術後1年、4,5枚目は根管充填直後)ですが、4番の根尖部の炎症を示唆していた黒い像(レントゲンの透過像)も消失し、経過良好です。
根管治療の注意事項(リスク・副作用など)
- 根管治療により類似の全ての症例の問題が解決するわけではなく、症例はあくまでも一例です
- 根管治療により痛みや腫れがひかない事や、術後に痛みや腫れが生じる事、治療によるファイル破折やパーフォレーションなどの偶発症、術後の歯根破折を生じる可能性もあります
- 自費診療(保険適用外)となります
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